Umi Shirano-ichijiku’s diary

一番好きな花は何ですか? 僕はイチジク(無花果)の花です。 咲いていることが見えないのですが、実の中に花が咲きます。 誰にも見られない所でひっそりと美しい桃色の花を咲かせる、 こんな奥ゆかしい花が眩しいです。

喘息発作。 ― 暗闇の恐怖

急な息切れ。陸地にいるのに、水の中に沈められるように息が出来ない。
止まらない咳。
暗い夜の中でとても不安になる。

―そんな症状を経験したことが有るだろうか?

様々な病気でそのような症状が出ることは有るだろうが、
その病気の一つとして喘息が有る。

実は昨晩も大きな発作が起こった。
布団の中で眠ろうと横になった時だった。
いつも痛む左胸の方が押しつぶされたように苦しくなり、
酸素を求めて、身体が危険を感じ始める。

いつも発作が始まった時には、どこまで悪くなるかわからない。
胸苦しさは深まっていき、布団の中に四つん這いでうずくまる。

喉の奥で、吐ききれなかった息の塊が爆発するように咳が出始める。
一度咳が出ると次から次へとこみ上げて来て、もっと息が出来なくなる。

昨夜は大きな発作だった。
泥沼に沈んでゆくように息がどんどん苦しくなる。

自然に軽くなってゆくことも有るが、
昨日は悪くなる一方で、回復してゆく兆しが見えない。
胸の底の方から、砂嵐の様にザーザーという音がする。

這うようにして鞄の置いてあるところまで行く。
身体を動かすと、咳が止まらない。
鞄の中を掻きまわすように吸入薬を探す。
コの字型の吸入器が指先に触れる。
―助かった
その瞬間に安堵がこみ上げる。
その場でそのまま吸入をして、壁にもたれて目を閉じる。
胸の底からはまだザーザーという音がする。

圧迫されるような痒みや痛みが少しずつ和らいでゆく。

本来もっていたはずの眠気が、暗闇の中で少しずつ戻ってくる。

夜の中に突然舞い降りてくる「死」
本当に、発作が始まる時にはどこまで悪くなるか分からないので、
大きな恐怖が突如目の前に現れる。
苦しい。

吸入薬がなかったらどうなっていただろう。
一人暮らしの僕にとって、意識を手放しても誰も助けてはくれない。
何度か本当に覚悟をしたことが有る。
いつも思うのは「悪くなかった」ということ。
凄く苦しい時、色々起こった人生が走馬灯のように頭を駆け巡ることが有るが、
悲しいこと、苦しいことも有ったが、全部ひっくるめれば「悪くなかった」と思うのだ。
幸い、吸入薬や、家族や友人が側にいたなど色々な幸いが重なって、僕の寿命はまだ切れずにいる。
それだけでも有難い。

喘息は身近な病気だが、息苦しいことを体験したことが無い人にとっては未知の症状だとも思う。
ただ、死ぬ可能性もある病気だということも忘れてはいけないし、
より多くの方に知っていただきたいと思う。

そして、喘息を持病として持っている方も、普段症状が無かったり、軽症でもしっかり治療を継続してゆくことが
突然死や悪化、難治化を避けるためにとても大切だと今一度思っていただきたいと思う。

僕は慢性化、難治化していると医師からも言われている。
毎日の吸入や予防薬の摂取をしているが、それでも週に何度か発作が苦し、眠れないことも有る。
どうすれば良くなるのか、どうすればこうならなかったのか、
物心がついたときには呼吸器に問題を抱えていたので何とも言えないが、
今より症状が軽かった時期も有る。その時に、多少身体に無理をしたのも間違いない。

成人の喘息は完治が難しい。出来ないといってもいい。
どう予防して行くかが重要だ。
そして、それは貴方の自覚と想いにかかっている。

一緒に暗い夜を乗り越えてゆこう。

May all moments is always shining for you. To all beatiful Fig floweres.